TNR活動〜共存・共生をめざして
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                   【ご報告】
 野辺地町のK様より寄付のお申し出があり、受領(30万円)致しました。
 今回のご寄付は@当会より猫を譲渡された高齢者世帯A地域猫−不妊・去勢処置費に遣わせていただきます。
 K様、ありがとうございました。
                                ワンニャンを愛する会 2015.5.7


2014年9月27(弘前市)〜28日(青森市)、公益財団法人どうぶつ基金「平成26年度さくらねこ無料不妊手術事業」助成を受けてTNR活動を実施しました
 今回対象となった飼い主がいないネコちゃんは弘前市32匹(オス21匹、メス11匹)、青森市50匹(オス25匹、メス25匹)。医療スタッフは東京などからお越し戴いた獣医師さん、看護アシストは北里大学獣医学部学生さんにご協力いただきました。
 弘前・青森両地区の皆様及び当会会員は実施の10日ほど前から準備活動。保護(捕獲Trap)したり、一時預り(宿泊)したりして当日に備えました。
 両地区ともボラのみなさん、会員は会場の地域集会所に8:30までに集合。ネコちゃんが入ったケージや会場設営の荷物などを搬入しました(青森9/28では立会検査の県青森家畜保健所のTさんにチョー重いスチール製事務机(手術台)を運ぶのを手伝っていただきました)。
 オペは朝9:00頃から始まり、夕方7:00近くまで続いたのでした。この間、ボラさんや会員は手術が終了したものの、まだ麻酔が効いて眠っているネコちゃんの爪切り・耳そうじを行いました。撤去は弘前当日夜8:30、青森翌日13:30(食事しながら反省会←ネコ談義?)でした。
 ネコちゃんたちは術後、2日〜1週間ほど両地区のボラさん宅や会員宅で過ごし。その後に元いた場所へ解放(Return)されました。
 会員はネコちゃんや荷物の搬送、食事の手配・連絡事務などで大忙し。会場を快く貸してくださいました弘前・青森の地域集会所関係者皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
 本事業は不妊・去勢手術・医薬品費と医師派遣に伴う諸経費の全額をどうぶつ基金の負担により実施したものです。どうぶつ基金及び同基金へ寄付された皆様には厚く御礼申し上げます。

※さくらねこちゃんで新しい飼い主さんが見つかったのは弘前・青森合わせて18匹、冬期預り約25匹となっています。(12.10現在、2014.12.16)

                 弘前地区9/27(土)


 8:30ボラのみなさんが集合、準備作業。9:00医療スタッフが打合せ。オペ本番、県津軽家畜保健所職員が立会検査にお出でになりました。

 不幸なネコちゃんたちが増えないように…オペ中のS先生。爪切り・耳のおそうじは地域ボラのみなさんが行いました。

 昼食は会員のお店の美味しいカレー(写真は夕食)。交代で引き続き爪切り、先端を2ミリくらいカット。耳そうじは消毒液でひたした綿棒で耳あか(ダニ?)を取り除きます。


                 青森地区9/28(日)


 オペ前に神妙な面持ちで指示を受ける学生ボラさん。アシストが学生ですからオペ中にレクチャーも(お説教ではありません)。会場が狭かったのでごちゃごちゃしています。

 青森でも会員が爪切りと耳そうじを担当(けっこう慣れた感じ)。応援に駆けつけたN先生。♂が当初考えていたより多かったです。どうぶつ基金のぼり旗を記念にカシャ!

 ネコちゃんは繁殖力が旺盛…野戦病院?方式での応急対応も止むを得ません。ネコちゃんたちは地域ボラさんや会員に引き取られ、2日後から元いた場所に帰って行きました。


                    
 2012年9月、公益財団法人どうぶつ基金「平成24年度みみ先カット猫無料不妊手術事業」助成を受けてTNR活動を実施しました!
 当会は2012年9月15日〜17日、公益財団法人どうぶつ基金様「平成24年度みみ先カット猫無料不妊手術事業」の助成を受けて、青森市内(一部)の地域猫及び飼い主不明の猫ちゃん50匹を対象にTNR活動を実施しました。
 不妊・去勢を処置したのはメス26匹、オス24匹です。当初は術後に全て元の場所に戻すつもりでしたが、保護してから術後までの約1週間、ネコちゃんたちと顔をつきあわせていたら心配(?)したとおり、情が移ってしまいました。その結果、譲渡会やHPなどを通して25匹を譲渡し、会員宅で現在も預かり(未譲渡)となっているのが4頭、人馴れしなかったりしてリターンさせたのが21匹となってしまいました。それでもこの内の4匹は地域猫を以前からお世話していた方のお宅で過ごしていますので、実際のリターンは17匹となります。
 地域で関わっていた方々にも不妊・去勢の必要性を訴え、理解していただいたと思います。
 地域やボランティアとして関わっていただいた皆様からは、次のような感想が寄せられました。
 「こんなことがあるなんて初めて知りました。機会があったらまた協力します」
 「不妊・去勢の大切さを周りの人に教えてあげたい」
 「みんなが考えなければいけないこと。啓発にぜひ協力したい」
 「増えたらどうしようと思っていました。こんなやり方もあるんですね。ありがとう!」
 「青森だけでなく、他の地域でもやってもらいたいです」
 ……
 初めてのことであり、会員の分担・スケジュールの調整、状況の把握、以前から地域猫に関わっていた方との連絡、地域の方への説明(「何、やっているんだ!」と怪訝そうに聞かれたこともあります)など苦労した面もありましたが多くのことを学びました。
 今回の経験を活かして、地域で命を救うための輪を少しずつ広げていきたいと考えています。
(↓どうぶつ基金様ホームページ「ねこ不妊手術無料キャンペーン」)

平成24年度ねこ不妊手術無料事業報告pdf

 末尾となりましたが、どうぶつ基金様及び日本郵便様(「みみ先カット猫無料不妊手術事業」は日本郵便平成24年度年賀寄付金の助成を受けています)、寄付金付き年賀はがき・切手を購入していただいた皆様、どうぶつ基金様に寄付をしていただいた皆様、わざわざ青森までお越しいただいた獣医師他の皆様、保護その他に協力してくださった皆様に心より感謝申し上げます。
 ありがとうございました。
                           ワン・ニャンを愛する会

あなたならどうしますか?地域で暮らす猫たち
 TNRって…?
 TNRとは、屋外で暮らす飼い主不明(迷い猫)などのホームレス猫を捕獲Trap、不妊Neuterし、元の場所に返すReturn一連の活動のことです。
 猫には年2回(3〜4回とも)、恋の季節が訪れます。その後約2か月で出産の時期を迎えます。これを放っておくとどんどん増え、地域の社会問題となります。この猫たちが保健所などに持ち込まれたりした場合はほとんど殺処分されます。
 生命尊重の観点から、また地域で迷惑を広げないためにもホームレス猫を増やさないことが一番の対策です。その有効な方法がTNR(捕獲→不妊・去勢→元に戻す)です。
 青森県内ではほとんど知られていませんが、首都圏関西圏などでは公園などで暮らすホームレス猫の繁殖予防対策として、地域住民や愛護団体に不妊・去勢費の一部を助成し、適正管理を行うことを認めている自治体があります。これは殺処分減少策、また地域住民とのトラブルが起きないようにするためであり、一定の効果があることが証明されています。

 ○環境省では、地域猫についての取り組み方↓を出しています。
 「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」p16
 ○TNRの例 大阪府堺市のTNR協働事業/どうぶつ基金HPより
 ○自治体助成制度の一覧 ぜんこく犬猫助成金リストより
 ○環境省不妊・去勢手術助成金等一覧にも掲載。

 国会(衆・参院環境委員会)がTNRの推進を決議
 2012年9月、第180回国会で動物愛護管理法が改正されました。これに伴い、今後の愛護管理における地域猫対策としてTNRの推進に向けて、衆・参院環境委員会で国が地方自治体に働きかけることを旨とした附帯決議を採択しました。
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 八 飼い主のいない猫に不妊去勢手術を施して地域住民の合意の下に管理する地域猫対策は、猫に係る苦情件数の低減及び猫の引取り頭数の減少に効果があることに鑑み、官民挙げて一層の推進を図ること。なお、駆除目的に捕獲された飼い主のいない猫の引取りは動物愛護の観点から原則として認められないが、やむを得ず引き取る際には、猫の所有者又は占有者を確認しつつ関係者の意向も踏まえた上で、引取り後に譲渡の機会が得られるよう最大限努めるよう、各地方自治体を指導すること。
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 地域猫対策としてTNRが有効であり、官民(行政+愛護団体含む地域団体・住民)が協力して取り組むべきであることを決議しました。。

 駆除・捕獲した猫の引取りは原則拒否
 決議では「駆除目的に捕獲された飼い主のいない猫の引取りは原則として認められない」とし、「やむを得ず引き取る際には、猫の所有者又は占有者を確認しつつ関係者の意向も踏まえた上で、引取り後に譲渡の機会が得られるよう最大限努めるよう」、国は自治体を指導することを求めています。
 ○衆議院環境委員会→決議 会議録
 ○参議院環境委員会→決議 会議録

 地域での共生・共存をめざして
 元はといえば、地域猫は人間の無責任な行動(遺棄、管理放棄)、管理ミス(逸走)から発生しています。
 「愛護管理法」では、次のように定めています。
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 第一章 総則
 ……
(基本原則)
第2条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
  ……
 第6章 罰則
第44条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、100万円以下の罰金に処する。
3 愛護動物を遺棄した者は、100万円以下の罰金に処する。
  ……
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 ※2013年9月1日から施行

 地域猫は保護されるべき存在です。一方で、地域と協調しなくては共生・共存は不可能です。そこで一定のルールをもうけて、地域での協調を確かなものにする必要があります。
 @地域猫たちを増やさないために避妊・去勢を行う。
 A地域での迷惑を防ぐため暮らしている場所の清掃・美化を行う。
 B生まれた子猫の譲渡先を探す。
 C親猫も慣らしてワクチン接種などして譲渡先を探す。
 D野放図に置きエサをしない。
 E地域の理解が不可欠ですので協調・同意をめざし、協力できる仲間をつくる。
 ……
 小さな歩みになりますが、当会でも各方面に働きかけて一歩ずつ取り組んでいきたいと考えています。
 TNR活動に対してのご理解、ご協力をお願いいたします。